ロングボード フィッティングエンジン
体重からボリュームを逆算する一般的な計算機とは違い、まずLength → Width → Thickness → Nose → Tailの寸法を決め、その結果としてボリュームを算出します。すべての補正には理由が表示されます。
肩幅・腕の長さを入れると、パドルに必要な幅とレール操作の限界幅の両側から幅を絞り込めます(未入力でも診断できます)。
なぜ「ボリューム逆算」ではなく寸法から決めるのか
一般的なボード選びは「体重×係数=必要ボリューム」で必要な浮力を先に出し、そこから板を探します。ショートボードでは有効な方法ですが、ロングボードでは同じボリュームでも全く別の板になります。9'6"×23"の薄い板と9'0"×24"の厚い板は同じ70Lになりえますが、テイクオフの速さもターンの弧の大きさも別物です。ボリュームは「浮力の総量」しか表さず、その量をどう配分したかを表さないためです。
このツールは順序を逆にします。まず身長から基準の長さを出し、体重・レベル・使用目的・よく入る波のサイズ・使用頻度でルール補正をかけて Length → Width → Thickness → Nose Width → Tail Width の5つを確定させます。ボリュームはその5つから算出される「結果」です。だから同じ体重の人でも、ノーズライド重視とターン重視では違う寸法が出ます。
なお結果画面には、この「体重×係数」で出した目安も参考値として併記しています。順序を戻したわけではありません。診断は寸法から作り、目安は答え合わせに使うだけです。両者が離れることはよくあり、ロングボードには規定の最低サイズがあるため体重が軽い人ほど目安より大きく出ます。その差自体が「ボリュームだけでは板は決まらない」ことの説明になっています。
5つの寸法がそれぞれ決めているもの
Length(長さ)
波を捕まえる早さと、直進の伸び。長いほど早く滑り出し、走り出してからのスピードが乗りますが、体を使って向きを変えるのが重くなります。身長から基準値を出し、体重が身長標準より重い場合のみ加算します。
Width(幅)
安定性と、レールを入れたときの粘り。広いほど立ちやすく波待ちも安定しますが、レールの切り替えが遅くなります。体重から基準値を決め、肩幅・腕の長さ・足サイズを入力した場合は「パドルに必要な最低幅」と「レール操作が成立する最大幅」の範囲へ収めます。
Thickness(厚み)
浮力の確保のしやすさ。厚いほどパドルが楽になりますが、厚すぎるとレールが水に噛まず、ターンで板が逃げます。
Nose Width(ノーズ幅)
ノーズライドの成立しやすさ。広いほど前方の面積が増えて足場ができますが、広すぎると波のフェイスに刺さりやすくなります。長さから比率で導きます。
Tail Width(テール幅)
ターンの入りやすさとホールド。狭いほどレールが入りやすく回しやすい一方、広いほどテールが浮いて走りますが、掘れた波では抜けやすくなります。
ノーズ幅とテール幅の比率から、アウトラインが Performance / Competition / All Round / Noserider / Cruiser に自動分類されます。この分類は「あなたの答えから導かれた板の性格」であり、最初に選ぶものではありません。
結果の読み方
なぜこの寸法か
各寸法について「基準値 → 何をどう補正したか → 最終値」を1行で表示します。納得できない補正があれば、その入力を変えて再計算してください。ブラックボックスにしないためにこの表示を必ず出しています。
推定Volume
確定した5寸法から算出した体積です。目標値ではなく結果なので、一般的な適正ボリューム表と多少ずれていても問題ありません。
体重ベースの目安(参考)
一般的な計算機と同じ「体重×係数」で出した参考値です。診断結果はこの数値からは作られていません。目安と大きく離れているときは、入力(体重・レベル・用途・波サイズ)が意図どおりかを見直す手掛かりとして使ってください。
Board Fit Index
診断そのものの確からしさです。カタログ一致率50%+ルールの整合度30%+入力の埋まり具合20%で算出します。低い=合う板が無い、ではなく、判断材料が足りないか条件が競合していることを意味します。
おすすめボード
算出寸法に一致率70%以上で近い実在ボードを提示します。カタログの収録数が限られているため、ゼロ件になることもあります。その場合も寸法自体は有効です。
ロングボード規定の下限について
補正の結果どれだけ短く・細くなっても、「9'0"」と「身長+3ft」の大きい方を長さの下限としてクランプします(ロッカーが強い場合は直線計測で下限を確保するための余裕を加算)。ノーズ幅(先端から12")+センター幅+テール幅(後端から12")の合計にも下限を設けています。これはWSL系のロングボード規定を参照した値ですが、合計幅の下限は大会・部門によって数値に揺れがあります。正式な大会に出る際は、必ず主催者の規定を確認してください。
β版としての位置づけ
このツールは「候補を絞り込む基準」を作るためのものです。方向性(今より長くすべきか短くすべきか、ノーズを広げるべきか等)は入力に対して再現性を持って出ますが、実際の最適解はレールの落とし方・ロッカーの入り方・フォームの構成など、数値化していない要素にも左右されます。結果の寸法をそのままシェイパーやサーフショップに伝えて相談する使い方を想定しています。
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❓ フィッティングエンジンのよくある質問
Q. なぜ体重からボリュームを逆算しないのですか?
同じボリュームでも、長さ・幅・厚みの配分が変われば全く別のボードになるからです。例えば同じ70Lでも、9'6"×23"の薄い板と9'0"×24"の厚い板では、テイクオフの速さもターンの弧の大きさも別物です。ボリュームは「浮力の総量」しか表さないため、それだけを合わせても乗り味は決まりません。このツールは先に5つの寸法を決め、ボリュームはその結果として算出します。
Q. Length → Width → Thickness → Nose → Tail の順に決めるのはなぜですか?
後の寸法が前の寸法に依存するためです。ノーズ幅とテール幅は長さから比率で導かれるので、長さが決まらないと決められません。またノーズ幅とテール幅の比率でアウトライン(Performance / Competition / All Round / Noserider / Cruiser)が分類されるため、この順序が崩れると分類も変わってしまいます。
Q. 結果が9'0"を下回らないのはなぜですか?
ロングボードとして成立する下限をガードしているためです。「9'0"」と「身長+3ft」の大きい方を下限とし、補正の結果それより短くなってもクランプします(ロッカーが強い場合は直線計測で下限を確保するための余裕を加算)。この下限はWSL系のロングボード規定を参照していますが、合計幅の下限は大会・部門によって数値に揺れがあるため、正式な大会基準として使う前には主催者の規定を必ず確認してください。
Q. 「Board Fit Index」は何を表していますか?
診断結果そのものの確からしさを示す指標です(v1)。カタログとの一致率が50%、適用したルール同士に矛盾がないかが30%、入力の埋まり具合が20%の重み付けで算出しています。つまりスコアが低いときは「あなたに合う板が無い」のではなく、「判断材料が足りない、または条件が競合している」ことを意味します。乗り味プロファイルとホームポイントを入力すると上がります。
Q. 「乗り味プロファイル」は入力しないとダメですか?
任意です。未入力(★3=標準)でも診断は成立します。ただしテイクオフ・ターン・ノーズライド・スピード・安定性・操作性の6軸は寸法への補正として直接効くため、入力すると結果が自分の好みに寄り、Board Fit Indexも上がります。「何を優先したいかまだ決まっていない」段階なら、まず標準のまま診断して基準を作るのがおすすめです。
Q. 一致するボードが1件も出ないことがあるのはなぜですか?
一致率70%以上のボードがカタログ内に見つからなかった場合です。現時点ではカタログの収録数が限られているため、珍しい寸法が出ると候補がゼロになります。その場合でも算出された寸法自体は有効なので、結果の5つの寸法をそのままシェイパーやサーフショップに伝えてください。
Q. β版とありますが、どこまで信用していいですか?
「候補を絞り込む基準」として使ってください。断定的な処方ではありません。身長・体重から基準寸法を出し、レベル・使用目的・波サイズ・使用頻度でルール補正をかける仕組みなので、方向性(今より長くすべきか短くすべきか等)は再現性を持って出ます。一方で、実際の最適解はレールの落とし方やロッカーの入り方など数値化していない要素にも左右されます。最終判断は必ず実物に乗るか、シェイパーに相談してください。
Q. 肩幅や腕の長さを入れると何が変わりますか?
Widthの算出精度が上がります。従来は体重ベースの基準値に足サイズの補正を足すだけでしたが、肩幅から「パドルに必要な最低幅」を、腕の長さと足サイズから「レール操作が成立する最大幅」を求め、その範囲に収まるよう幅を調整します。どちらも任意入力で、未入力の場合は身長から推定せずその項目の判定を省略します(足サイズは必須のため上限側は常に適用されます)。肩幅は服のサイズ表記ではなく、肩の骨の出っぱり(肩峰)どうしの距離で測ってください。
Q. 同じVolumeで長さを変えた表は何を意味しますか?
推奨した寸法から幅・ノーズ幅・テール幅を変えずに、長さだけを±2"・±4"ほど振ったとき、同じVolumeを保つには厚みがいくつ必要かを逆算した比較表です。長くすれば厚みは薄くなりデッキが平らでテイクオフや直進が伸びやすくなり、短くすれば厚みが増してターンの起こしは軽くなります。追加の入力は不要で、1回の診断結果画面にそのまま表示されます。
Q. 「大会」と「ハイパフォーマンス」はどう違いますか?
「大会」は試合用に寸法そのものを削る方向(長さ-2")、「ハイパフォーマンス」は長さを身長基準のまま残し、幅を1/8"詰めてダウンレールにする方向です。前者は取り回し、後者はレールを入れたときの反応性を優先します。なお身長やレベルによってはロングボード規定の長さ下限が効いて両者の長さが同じになることがあります。その場合の違いはノーズ幅・テール幅・レール形状に出ます。
Q. 結果画面の「体重ベースの目安」は何ですか?なぜ主指標にしないのですか?
一般的な計算機と同じ「体重×係数(レベル・用途・波サイズ)」方式で出した参考値です。体重とボリュームに強い相関があること自体は研究で確認されていますが、係数の具体値はNAMI LOG独自の初期値です。このツールの主指標は寸法から算出した推定Volumeで、これは「同じボリュームでも長さ・幅・厚みの配分が変われば別の板になる」という考え方に基づいています。体重ベースの目安はその答え合わせとして併記しているだけで、寸法の計算には使っていません。両者が離れることはよくあり、ロングボードには規定の最低サイズがあるため体重が軽い人ほど目安より大きく出ます。
診断した寸法のボードで実際に乗った結果をNAMI LOGに記録すると、その板が自分に合っていたかをコンディション別に振り返れます。
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