Windy(ウィンディ)の見方|波の高さとうねりの違い【サーファー向け】
Windyの数字を、実際に入る海のサイズと質に置き換える方法を解説します。
文: 松本裕史(湘南・ロングボード1級/コンテスト出場) · 最終更新日: 2026年9月29日
Windy(ウィンディ。「ウェンディ」「ウインディ」と呼ばれることもあります)は、風・波・気圧配置を予報で確認できる無料の気象ツールです。サーフィン専用ではありません。それでも、波の表示に切り替えれば、波の高さ・うねりの向き・周期がひと目でわかります。
このページでは、Windyの数字を「実際に入る海のサイズと質」に置き換える方法を解説します。書いているのは、湘南で大会に出ているロングボーダーです。数字の根拠には、米国海洋大気庁(NOAA)などの資料を使っています。
30秒でわかるWindyの見方
- 波の高さ(Waves)=海にあるすべての波をまとめた大きさ。遠くから来たうねりと、その場の風で立った波の両方を含みます。
- うねり(Swell)=遠くの低気圧などから届いた波。周期(波と波の間の秒数)が長いほど力があります。
- 予報の波高は「よく来る波の少し大きめ」。数分に1本は約1.2倍、2〜3時間に1本は2倍近くのセットが来ることがあります。
- 判断は「波の高さ×周期×向き×風」の4つで。波の高さだけで決めない。
「波の高さ」と「うねり」の違い
Windyでいちばん誤解されやすいのがここです。波の表示は、大きく4つの数字に分かれています。
海にあるすべての波をまとめた大きさです。遠くから来たうねりと、その場の風で立った波の両方が入っています。「今日の海が全体でどれくらい動いているか」を表します。
遠くの低気圧などで生まれ、長い距離を旅してきたうねりのうち、いちばん大きいものです。「波がある・ない」を決めるのは、基本的にこの数字です。
Swell 1とは別の場所から届く、2番目のうねりです。Swell 1と向きが違う日は、2方向のうねりがぶつかります。ピークがバラけたり、セットの形が崩れたりしやすくなります。※予報モデルによっては、さらに小さい「Swell 3」も表示されます。
いま吹いている風で、その場に立った波です。周期が短く、力がありません。数字が大きくても、面がバシャつきやすくなります。
※波の高さはエネルギーで合わさるため、「各成分の高さの2乗を足して平方根をとった値」が目安になります(√(0.6²+0.3²+0.5²)≒0.84m)。いちばん大きい成分が、全体の大きさをほぼ決めます。図は重なり方のイメージで、実際の海面は瞬間ごとに山も谷ももっと大きく変化します。
Wavesの数字を見たら、中身を分けて見るのが大事です。
・ Wavesは1.0mあるのに、ほとんどがWind waves → 数字ほど乗れる波にはなりません。
・ Wavesは0.8mでも、中身はほぼ周期の長いSwell 1 → 数字以上にしっかりした波が割れます。
・ 同じ数字でも、中身がうねりか風波かで、海はまったく別物になります。
※Windyの画面表記やメニュー名は、アップデートや言語設定で変わることがあります。
予報「1m」の日、実際に来る波は?
予報の波高は「よく来る波の少し大きめ」の数字です。しばらく待っていると、それより大きいセットが必ず入ります。
予報1.0mの日に沖で待っていると、たまに明らかに大きいセットが来ます。これは予報が外れたのではありません。海ではいつも、波の大きさにばらつきがあるからです。
予報の波高と体感サイズの目安
| 0.3〜0.5m | ヒザ〜モモ |
| 0.5〜0.7m | モモ〜コシ |
| 0.7〜0.9m | コシ〜ハラ |
| 0.9〜1.1m | ハラ〜ムネ |
| 1.1〜1.3m | ムネ〜カタ |
| 1.3〜1.5m | カタ〜アタマ |
| 1.5〜2.0m | アタマ〜アタマ半 |
※沖合の予報を基準にした目安です。ポイントの地形や潮で変わります。
詳しくは波のサイズ換算表をご覧ください。
予報1.0mの日に来る波(周期10秒前後の場合)
それ以上の波は、まず来ません。「予報の約2倍」が上限の目安です。
なぜそうなるのか(有義波高)
予報の波高は、ほとんどが「有義波高」という数字です。ひとことで言えば「大きめの波の平均」です。一定時間に来た波を大きい順に並べ、上から3分の1だけを平均した値です。
米国海洋大気庁(NOAA)は、次のように説明しています。
- 有義波高と同じか、それより大きい波は全体の約15%
- 時々、有義波高より25〜30%大きい波が来る
- 出会う可能性のある最大の波は、有義波高のおよそ2倍
大会では、この「たまに来る大きいセット」をどう扱うかが勝敗を分けます。20分のヒートなら、1.3〜1.5倍のセットは1回来るかどうかです。周期も合わせて見積もっておくと、待つべき波の判断がぶれにくくなります。
周期でここまで変わる
周期は、波と波の間の秒数です。同じ波の高さでも、周期が変わると波の力がまったく変わります。
| 周期の目安 | 波の特徴 |
|---|---|
| 5〜7秒 | 風波が多い。力が弱く、面が乱れやすい |
| 8〜10秒 | 普通のうねり |
| 11〜13秒 | 力のあるうねり |
| 14秒以上 | 長周期のグラウンドスウェル(遠くから来た力の強いうねり) |
※沖合での値。波長≒1.56×周期²(m)。力は同じ波高なら周期に比例します(8秒を1.0とした比)。
周期が長いと、波は「長く・強く」なる
周期8秒の波は、山と山の間が約100mです。14秒になると約300mまで伸びます。運んでくる力も違います。同じ高さなら、14秒の波は8秒の波の約1.75倍の力を持っています。
「1.2m・7秒」と「0.8m・14秒」はほぼ同じ力
波の高さは1.5倍も違うのに、運んでくる力の差は1割ほどしかありません。ただし中身は別物です。前者は風波寄りでまとまりがありません。後者は形の整った、押しの強い波になりやすいです。波の高さだけで判断してはいけない理由がここにあります。
長周期の日は「特定のポイントだけ大きい」
周期が長い波ほど、深い場所から海底の影響を受け始めます。14秒の波なら水深150m前後から、8秒なら約50mからです。海底の影響を受けた波は、進む向きが曲がります(屈折)。その結果、リーフや岬、砂州に波が集まりやすくなります。長周期の日に一部のポイントだけ大きくなるのはこのためです。
※沖合の波長≒1.56×周期²(m)。波の力(エネルギーの流れ)は「波高の2乗×周期」に比例します。
具体的な数字で比べたいときは、スウェルエネルギー計算機で試してみてください。
波予想で確認すべき5つのポイント
風の強さと向き
オフショア(陸から海へ吹く風)か、オンショア(海から陸へ吹く風)かを見ます。オフショアは波の面を整え、オンショアは崩します。強すぎるオフショアにも注意が必要です(詳しくは下の「風の影響」)。
波の高さ
Windyの数字は沖合の目安です。上の換算表で体感サイズに置き換えると、イメージがつかみやすくなります。
うねりの向き
うねりがどの方角から来るかを示します。ホームポイントの向き(岬・リーフ・砂州がどちらを向いているか)と合わせて、そのうねりが実際に届くかを判断します。
うねりの周期
同じ高さでも、長いほど力があります。目安は上の表を見てください。
時間ごとの変化
入る予定の時間の前後数時間も必ず見ます。風向きが変わる時間や、うねりが上がり始める・落ちていく時間をまたぐと、海は大きく変わります。
風の影響を見極める
オフショアが強すぎる
波が押さえつけられて、割れにくくなることがあります。「オフショアなら必ず良い」とは限りません。
オンショアが強すぎる
面全体が荒れて、走れる区間が減ります。弱いオンショアなら、朝の早い時間は問題ないことも多いです。
風が切り替わるタイミングを狙う
強いオンショアから急にオフショアに変わった日は、海面が落ち着くまで4〜5時間かかることがあります。切り替わった直後より、少し時間を置いた方が良くなりやすいです。
もう一歩踏み込んだ使い方
うねりの到着は「周期の変化」で読む
周期の長い波ほど、速く進みます。14秒のうねりは時速約40km、8秒のうねりは時速約22kmです。そのため遠くの低気圧からのうねりは、まず長い周期の波が届き、時間とともに周期が短くなっていきます。時間ごとの予報で「長い周期から始まっている」なら、うねりの入り始めのサインです。サイズのピークは、多くの場合その後に来ます。
予報モデルを切り替えて比べる
Windyでは、波の予報モデルを切り替えられます(ECMWFやGFSなど。選べるモデルは画面で確認してください)。モデル同士の数字が近い日は、予報が当たりやすい日です。大きくズレている日は、当たりにくい日です。大会の前日など外したくない日は、必ず複数のモデルを比べましょう。
うねりの向きと地形を重ねる
南向きのビーチなら、南〜南東からのうねりが入る日に良い波が立ちやすくなります。うねりの向きと自分のポイントの向きを照らし合わせる癖をつけると、読みの精度が上がります。
岸と沖で風が違う日もある
岸の近くだけオフショアで、沖は強いオンショア、という日があります。こういう日は案外サーフィンできます。岸の近くと沖の両方の風を確認してみましょう。
予報を「自分専用」に変える
Windyの数字は、世界中どのポイントでも同じ基準で出ています。一方、実際に割れる波は、ポイントの地形や潮で大きく変わります。
だから上手い人ほど、「予報の数字」ではなく「その数字が自分のポイントで何を意味するか」を知っています。その対応表は、自分の記録からしか作れません。
- 予報の波高・周期・風 → 実際のサイズと質はどうだったか
- その条件で、自分はどれだけ乗れたか(自己採点・課題)
- 得意な条件・苦手な条件はどこか
Windyで「読む」、NAMI LOGで「確かめる」。この往復を続けるほど、予報の読みはあなた専用になっていきます。
Windyの基本操作
Windyを開く
ブラウザかアプリで開きます。よく使うならアプリが便利です。
ポイントを表示する
地図を動かすか、地名で検索します。よく見るポイントはお気に入りに登録しておきましょう。
波の表示に切り替える
最初は風の表示になっています。レイヤーの一覧から波やうねりの表示を選び、ポイントをタップすると、時間ごとの予報が見られます。
※Windyの画面表記やメニュー名は、アップデートで変わることがあります。
❓ Windyの見方に関するよくある質問
Q. 「波の高さ」と「うねり」は、どちらを見ればいいですか?
両方です。まず「波の高さ(Waves)」で海全体のサイズ感をつかみます。次に「うねり(Swell 1)」の高さと周期で、中身が乗れる波かどうかを判断します。Wavesは大きいのにうねりが小さい日は、風波が中心で面が荒れやすい日です。
Q. Swell 1とSwell 2の違いは何ですか?
Swell 1はいちばん大きいうねり、Swell 2は別の方向から来る2番目のうねりです。判断の中心はSwell 1です。ただしSwell 2の向きがSwell 1と大きく違う日は、ピークがバラけたり、セットの形が乱れたりすることがあります。
Q. Windyの波高1mは、実際どのくらいのサイズですか?
体感サイズの目安はハラ〜ムネです。ただし予報の波高は「大きめの波の平均」なので、数分に1本は約1.2倍、2〜3時間に1本は2倍近くのセットが来ることがあります。ポイントの地形や潮でも変わるので、自分のポイントでの対応を記録してつかむのが確実です。
Q. 波高の数字が、ホームポイントの体感と合いません。なぜですか?
Windyの波高は沖合の予報が基準だからです。実際に割れる場所の地形(リーフ・砂州・岬の向き)や潮で、体感サイズは変わります。何度か見比べて、自分のポイントでの「Windyの数字→体感サイズ」の対応をつかむのが近道です。
Q. 予報モデルによって数字が違うのはなぜですか?
モデルごとに計算方法や使っているデータが違うためです。複数のモデルが近い数字を出している日は、予報が当たりやすい日です。大きくズレている日は、当たりにくい日と考えましょう。
Q. Windyがあれば、波情報サイトは要りませんか?
予報の確認はWindyで十分できます。ただ、ライブカメラの映像や、地元をよく知るレポーターの実況には別の価値があります。今の海の様子を知りたいときは、波伝説やBCMなどの波情報サイトも合わせて確認しましょう。